PPバンド・長方形のライン模様

前稿のように、側面をライン模様にするためには、底が正方形という条件がありました。では、長方形の底、つまり縦の四角数と横の四角数が異なるケースでも、折りカラー編みでライン模様を作れないものでしょうか。

一般的な条件まではわかりませんが[※]可能となるケースがありました。試しに、前稿の6×6をそのまま1つずらして7×5にしてみたものです。

PPバンド・長方形のライン模様

一部を外側に折り返し、残りを内側に折り返すことで、全体がライン模様になりました。

外側は底の中央線まで折り返し、内側は側面までを折り返しました。

折りカラー機能有効時の[プレビュー2]画面、before/afterです。

折り返しラインが生じており、その高さで折り返すことで、崩れたライン模様が戻りました。

データです。

PPバンド・ライン模様のドット模様

斜め編みで2色のライン模様を作るには、底が正方形&中心で色を重ねる、というルールがあります。ライン模様は、縦横とも2色交互の時に現れる模様ですから、ルールの結果、側面の斜め2方向では、それぞれ2色交互になります。

Ver1.8.14のSquare45の折りカラー機能を使うと、指定した高さにおける斜め2方向のバンド色の並びを表形式で見ることができます。この2色交互が、高さ0.5ごとに、同色交差/異色交差の入れ替わりになっていることに気付きました。

異色であれば、折りカラー編みで入れ替えることができます。つまり、ライン模様をドット模様に変えられるのです。作ってみました。

内側ライン、外側ドット

高さが整数の時、縁の1組ごと、外側-内側-外側-内側..と折り返せば、ライン模様を内外ともドット模様に変えることができます。でも、全部変えてしまったら単なるドット模様になってしまいますから、外側のみ折り返して、内側のラインは残してみました。

内側ライン

外側のみ折り返す時のプレビュー・底配置図です。

なお、この過程で、プレビューの「うら」表示にバグがあることがわかりました。次バージョンでは修正予定ですが、Ver1.8.14ご使用の際は留意ください。

データです。

外側・内側ともに折り返せば、両側ともドット模様になります。こちらのデータもつけておきます。

フォルトゥーナパールの色合わせ

先に使用した素材「フォルトゥーナパール」の設定データを、バンドの種類ページの「製品情報」セクションにて公開しました。ご許可ならびにご協力くださいました 手芸ストア☆あらうだえ Store.Alaudae.JP 様、ありがとうございます。

設定データは、製品情報の該当箇所からダウンロードできます。
ダウンロードしたファイルを、[設定]メニュー → 基本設定 → [インポート]で読み込むと、「フォルトゥーナパール」と「フォルトゥーナパール(線表示)」の2種類のバンドが使用可能になり、53色のカラーバリエーションから選べるようになります。

同じ色名でも、バンドの種類を切り替えることで、表示を簡単に変えられます。

  • フォルトゥーナパール … 不透明色で塗りつぶし。完成イメージ用。
  • フォルトゥーナパール(線表示) … 半透明でバンド方向にライン。デザイン検討用。

製品の幅は 21MM/15MM/6MM の3種類ですが、データ上は1本幅あたり3mmとして登録していますので、それぞれ「7本幅/5本幅/2本幅」としてお使いください。


試作のためまず2色を選ぼうとしたのですが…色数が多すぎて迷ってしまいました。そこで、色名リストをChatGPTに渡して5組選んでもらったところ、「調和のとれたコントラスト配色」を簡単なコメント付きで提案してくれました。
右側の画像は、それぞれの組み合わせをSquare45で絵にしたものです。

なるほど、と次は「類似色の組み合わせ」も5組お願いしてみたところ…これも見事にそれらしい配色に。名前しか渡していないのに、さすがと思える出来でした。

でも、モニターさんは違いました。AIの提案には目もくれず、「これ!可愛い!」と即決。それでも最後まで迷ったのが「ももはないろ×なでしこいろ」か「ももはないろ×せきちくいろ」。絵で比較して選ばれたのが右側です。

「ももはないろ×なでしこいろ」・「ももはないろ×せきちくいろ」

届いたバンド現物を絵と見比べると、もちろん全く同じ色ではありません。
ただ、最後に迷われた2組のうち、あえてコントラストの少ない方を選ばれたことが、編みあがったときには、見る角度によって「1色? 2色?」と感じるほどの仕上がりになりました。バンド1本ずつで見れば実物との差はありますが、その僅差を選んだことが、ちゃんと反映されています。

さらに、編みあがったときの艶や質感は想像以上で、色合いとの相乗効果が一層引き立っていました。今回あらためて、色数が多いことで、ほんの僅かな違いを選べるというメリットにも気づくことができました。


手芸ストア☆あらうだえ 様は、
「手芸愛好家の創造性を応援し、共に手芸の楽しさを分かち合う」という理念のもと、素材を選び、魅力を引き出し、技法や治具の開発まで幅広く取り組まれています。

今回のデータ公開にあたっても「ユーザーの利便性のため」という目的をご理解いただき、快くサポートしていただきました。ありがとうございました。

フォルトゥーナパールのかごバッグ

フォルトゥーナパールという素材があります。販売サイトによると「国内産のPPバンドと同じように使っても、その質感、発色の違いにきっと驚くはずです。同じ編み方でも、フォルトゥーナパールなら、よりエレガントで、個性的な作品に仕上がります。

試してみたくなりますよね。でも、53色のラインナップですから、オリカラー・チェック(OriColorCheck) にするとして、2色だと2756通りにもなります。どんな組み合わせがいいのか、選びかねていたのです。そこに、モニターになって下さるという方がありまして、サクッと選んでくれました。好き♡とか可愛い♡を持ってる方、最強です。

フォルトゥーナパールのかごバッグ

PPバンドより柔らかめで、編地は、カゴというよりカバンです。21ミリ幅・27メートルの素材を2色で計2巻使い、32ミリのDカンを6箇所編み込み、既成のボタン式の持ち手をつけました。

底と内側です。底の中央線位置で切り替えています。

Ver.1.8.14 のSquare45の折りカラー機能を使いました。折り返しを指定したバンドに対して、標準では側面分の長さが倍になります(下図・左)。この状態で、27メートルのバンドで作れるサイズを決めました。使用長26.3メートルです。

その後、サイズは変えずに、底の中央線に届く長さを個別加算長に・四角2個分をひも長加算に設定することで、使用長を最適化しました。それが下図・右で、使用長は25.3メートルになりました。

バンドは後者でカットして作ったのですが、

  • 余裕がほとんどないため、カットミスや配置ミスのプレッシャーが大きい
  • 仮編みの2倍高さ状態で高さが揃わないため、均等に編めているかのチェックや補正ができない
  • 差し込み時に縦に割けたら終わり。割けない素材で本当に良かった☺
  • 最後、折り返して底に差し込むまで、長さが合っているかどうかドキドキ

なので、材料に余裕があれば、前者で十分と思いました。それでも、何とか予定通りに作ることができ、カット残りは下図・左、残った1.6メートルで右図のようなポーチを作ることもできました。

Square45のデータ、最適化なし・ありの2点です。Ver1.8.14以降で開いてください。

これらのデータで参照している設定データ(バンドの種類「フォルトゥーナパール」や補助線が含まれます)、および残りバンドのポーチのデータも添付します。

PPバンド・花模様のミニバッグ

Ver.1.8.14 のSquareの差しひも機能を使って、花模様のミニバッグを作ってみました。

花模様のミニバッグ

使用している差しひものうち、水平方向の白のバンドは編みひもに重ねて編まれています。この状態を、追加された差し位置「とも編み」で指定しました。

差しひもの設定はこんなです。

1/2,1/3,1/4幅のバンドを使いましたが、バンドの種類「PPバンド(4本幅)」では1/3幅は使えないので代替しています。幅をより正確に表したければ、12本幅のPPバンドを定義してください。

[プレビュー]および[プレビュー2]タブにおける操作と表示は、以下のようになります。
何本おきに何色を差すか・本数は合っているか、などがチェックし易くなりました。

[プレビュー]タブでは、次のように表示を切り替えることができます。

[プレビュー2]タブの表示は「差しひも」指定を引き継ぎます。

なお、Ver1.8.14では[3Dモデル]ボタンによる表示で、完全白が透明化されるようになりました。描画色「白」と「deep白」で、赤・緑・青が255・255・255になっていたら、253・253・253に修正してください。

データです。